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奥能登国際芸術祭 2020+

(一部、ちょこもろ日誌と重複します)


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2021.10.31() 曇り一時小雨
芸術祭の最終日は11月5日だが、会期中の日曜日は今日だけなので、σ(^_^)にとっては今日が最終日だ。
若山町の山奥には明るいうちに見ておいたほうがいい不気味な展示物があると言う噂を聞いたので、順番を無視して最初に向かった。

No.44 若山町吉ヶ池 空き家
カルロス・アモラレス:黒い雲の家
昔は冠婚葬祭をすべて自宅で執り行ったので、こんな巨大な家になるのが普通だった。
一歩中に入ると、黒い蝶の切り紙が大量に床、壁、天井に貼り付けられている。
二万匹以上いると言っていたような気がする。
現在も増殖中だそうだ。

ペンギンは「気持ち悪い」を連発していたが、灯りに寄ってくるヤママユをエアガンで撃つのが趣味だったσ(^_^)には、的に見える。
座敷には祭りの「ヨバレ」風に御膳が並べられている。
黒い蝶がいなきゃ、まるでマヨイガだ。
遠野物語の世界そのものだ。
玄関に「御自由にお取り下さい」と書かれた張り紙があった。
カリンは漬物にでもしないと食べられないが、柿は甘柿だそうだ。
お言葉に甘えることにしたが、全部持って行くのは大人げないので、 三つだけにとどめた。
No.43 若山町上黒丸 旧上黒丸小中学校
チームKAMIKURO:座円 循環 曼荼羅

吉ヶ池から降りてきて県道に出ると閉校した上黒丸小中学校がある。
体育館の中央に小さな箱をヨーロッパの古城みたいに円筒状に積み上げてある。
箱の中に入れてあるものは思い出の品々なのかも知れないが、よそ者には何の価値もない。
円筒の内側に入ると写真が多い。
おそらくこの地域の思い出の写真だろう。
若山町でもこの辺りとなるとσ(^_^)らが住む出田とは端と端に位置し、海山千里をはるか隔てている。いや、海はないか。
知人もほとんどいないので、写真を見てもどうせわからない。
したがって、見ない。
グラウンドには何やらドーム状のものが並んでいる。
作者も作品名も違うらしいが、興味もないのでここでは取り上げない。
右手は体育館。
No.42 若山町大坊 旧大坊小学校
四方謙一:Gravity/この地を見つめる

娘が小学校に入学するとき、東若山小学校と大坊小学校が統合されて現在の若山小学校となった。
見る影もない運動場には、ステンレスの板に切り目を入れて歪ませたオブジェがいくつか、風に吹かれてゆっくり回っている。
作品名から推測すると、これは目らしい。
大坊小学校が閉校したあとに出来た牛セリ市場の牛舎にも、小ぶりの目が下がっている。
もちろんはるか昔に市場として使われなくなっている。
ここに牛がつながれていた光景は見たような気がする。
大坊小学校あとに建つ、大坊生活改善センター。
公民館を名乗る施設は若山町にひとつしか許されないので、各集落ごとになんだかんだの名前を付けた集会場がある。
灯りがついていたのでここにも作品があるのか、と覗いてみたら、衆院選の投票所だった。(^^;)
No.40 宝立町柏原 旧柏原保育所
チェン・シー:珠洲のドリームキンダーガーデン

廃墟になっているのは保育所と小中学校ばっかだね。(-_-;)
キノコの化け物かと思っていたが、写真を改めて見てみると、雷雲だった。
ハハハ、と言われても、なぁ。。。
これは子供たちの絵を立体化したそうだ。
その元絵がこれ。
園児にしては異常に上手な子がいるな、と感心した。
あとから考えると、旧保育所に飾ってあるからと言って、園児とは限らない。
そもそも閉鎖した保育所に園児など、いるわけない。
「宝立地区の子供たちの絵」 だった。

No.41 宝立町南黒丸 旧南黒丸駅
サイモン・スターリング:軌間

軌間とはレールゲージとも呼ばれ、レールの内々寸法を意味する。
とは言いながら、レールはすでに撤去され、線路敷きしか残っていない。
なお、地名の南黒丸と43番の上黒丸とはまったく関連性がない。

田んぼの真ん中にある駅のホームが片側しかない風景は何やら違和感を覚えたが、単線だからこれでいいのだ。
蛸島方面に向かって歩いて行くと、ホーム近くに何やら黒い立て看板が立っている。
ホームから金沢方面を見ると、立て看板には映画のポジフィルムをベタ焼きしたみたいな写真だった。
ホームから蛸島側の三枚は金沢方面を向いている。
待合所にディスプレイがぶら下がっていて、映像を流していた。
おおっ、さっき見た写真と同じ場面が出て来たぞ!
この映像が作品かな?
最初から最後まで見ろってことなんだろうが、そんな暇はない。
今日はひたすら完全制覇を目指すのだ。
No.39 宝立町鵜飼 旧鵜飼駅
ディラン・カク:無題 (題名は泣き笑いしているアイコンなので表示できず)

ここでは検温もしているようだ。
受付にもビニール風船の猿が座っている。
万一に備えた予備か、と聞いてみたら、この位置も作品のうちだそうだ。
金沢方面を見ると、下りのホームと上りのホームに猿が一匹ずつ座ってスマホをいじっている。

No.38 宝立町春日野 倉庫跡
佐藤貢:網の小屋

網倉庫みたいだが、宝立だから金田の定置網かな?
子供のころ、親父に連れられて海釣りに行くと、目印にしていたのは金田(宝立)の網と田川(蛸島)の網だった。
田川はまだやってるらしいが、金田はやめたのかな?
中に入ると、網の切れっ端がクラゲの足のようにぶら下がっている。
ここから見ると、蔵がゲボって網を吐き出しているみたいだ。

これで宝立地区は終了した。次は上戸だ。ゴールが近い。
No.36 上戸町寺社 旧上戸駅
ラックス・メディア・コレクティブ:うつしみ

37番を目指したら通り過ぎてしまい、ここに来た。
ここは前回そのまま、駅の待合所の幽体離脱。。。のはずだが、あまりパッとしないな。
そうそう、ここは暗くなってからライトアップされているところを見ないと幽体離脱らしく見えないんだった。
せめてペンキの塗り直しでもやったのか、近くに寄って眺めてみたが、高すぎてよくわからない。
メッキのようにも見えるし、多分ほったらかしではないか。
待合所の鉄骨がもう朽ち果てそうになっている。
No.35 上戸町南方 柳田児童公園
シモン・ヴェガ:月うさぎ ルナ・クルーザー

柳田と名が付いているが、「一家に二台・タイヤショベル」家のある、旧柳田村との関係はない。
後から見ると切妻の瓦屋根が目立って曳山の模型に見えるが・・・
前から見ると、月面探査車に見える。
内部はキャンピングカーみたいになっている。
コックピットは左ハンドル、外車だ!
No.35 上戸町北方 空き倉庫
石川直樹:奥能登半島/珠洲全景

いよいよ最後の作品になったl
しかし写真の展示なので、ちっとも面白くない。
二階にも展示してあった。
写真の中に知った顔が二人いた。

さあこれで完全制覇を成し遂げた。
完全制覇を認証するさいはてのキャバレーは18時まで開いているが、少しでも早いほうがいいだろう。
まだ17時に少し時間を残している。
やってきました、さいはてのキャバレー。
完全制覇した人だけ、その栄誉を讃えるとともに永く後世に伝えるため、記念品がもらえる。
記念品は三種類あって、どれか一つを選ぶことができる。
記念品はあくまで記念品、役には立ちそうにない。
クリアファイルを三人分、三枚貰った。
スタンプ帳と今日のリストバンドを添えて飾っておこう。
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2021.10.24() 曇りのち晴れ
今日は14時出発で、正院町の最後に飯塚を攻める。

No.24 正院町飯塚 旧飯塚保育所
ひびのこずえ:スズズカ Come and Go

保育所の玄関に入ると、天井から正体不明の何かがぶら下がっている。
近くば寄って目にも見よ。。。やっぱりわからん代物だ。
前回と同じで、ここは舞台の上でパフォーマーが演技を披露してなんぼのもの。
タイミングよく、公演時間に来られる人はほとんどいないだろう。

No.25 正院町飯塚 旧事務所
中島伽耶子:あかるい家 Blight house

案内によると、飯塚保育所に車を止めて歩いて行くことになっているが、ここは本家の目の前だ。
しょっちゅう来るところなので、近くに車を止めるところを知っている。
歩いている人には申し訳ないが、車でほんのそばまで移動した。
本家のそのまた本家、乙谷ジー様の店の跡だと思い込んでいたが、どうも違和感がある。
煙草を売っているような店構えだったと思うが、これではとてもそうは見えない。
MAPでも元は事務所と言うことになっているし。。。こんなん、昔からあったかな?
中に入って戸を閉めると、壁にあいた無数の孔から光が差し込む。
あらら、屋根にまで穴だらけにしちゃって。
アクリル板で穴は塞いではあるが、屋根の防水にはならないと思うぞ。

子供のころ、本家の祭りから家に戻るときは真っ暗闇の中、このバス停で飯田行きのバスを待つのだった。
大型車が坂の向こうからやってくると、運転席の上に三つ並んでいたランプの色でバスとトラックを見分けた。
いや、二つ点くのがトラックで、三つはバスだったかな。
いまでは運転席の上にランプを付けた大型車がいないので、確かめようがない。

バス停の位置は店のほんの側だったから、やっぱり乙谷ジー様の店はなくなっている。。。と思う。
No.26 野々江町本江寺 倉庫
尾花賢一:水平線のナミコ

本江寺は「ぼんこうじ」と読む。
地名の由来となった同名の寺も現存するようだ。
ここは元は何かの工場跡で、某管工事会社が倉庫として使っていたはず。
「よめぐり悲話」と題した伝説を掲示してある。
よめぐりは三崎町寺家沖の暗礁、嫁礁のことで、船が座礁しないように灯台が建っている。
漫画も掲示してあるが、嫁礁の話とは関係なさそうだ。
漫画のほうが数が多い。
嫁礁伝説は尻切れトンボで終わっている。
漫画と嫁礁伝説の関連性はまったくわからず、漫画そのものも話の筋が通っていないようだ。
新幹線も出てくれば、戦時中の話も出て来る。
なんかいわくありげな半開きのドア。
隙間から中を覗くと、頭がカニの鋏みたいな少女像が立っている。
ドアの外にはカネゴンみたいなのが座っている。
出口近くには頭が爆発した少女像。
だからいったい、なんなんこれ。
漫画と伝説はただの壁紙で、彫刻を見せたいのか?

話を追おうとして、写真の枚数だけやたら浪費した。(-_-;)
No.28 珠洲市野々江町 珠洲市民図書館
磯辺行久:偏西風/対馬海流・リマン海流

二十七番は初日に終わっているので、次は二十八番。
作品は総合病院前の図書館内の多目的室に展示してあった。
台風で屋根が剥がれ、全国ニュースになったあの図書館だ。
手紙を付けた風船を飛ばして偏西風のコースを調べる研究らしい。
プロジェクトには市内の小学生が協力したらしい。
風船を飛ばすシーンの録画には娘が通った若山小学校も出て来た。
芸術作品と言うより、研究発表かな?

No.29 珠洲市飯田町栄町 旧中央図書館・中央公民館
今尾拓真:Work with #8 (旧珠洲市立中央図書館空調設備)

二年前、新しい図書館が完成してからは使われなくなった、旧図書館。
いかにも廃墟の雰囲気を醸し出している。

この建物は一階が図書館、二階が公民館になっていた。
Uターンしてから数年は週に一度、二階のホールを借りて市民合唱団の練習に通った。
ずっと後のバブル期、図書館に電算システムを納入したことがある。
当時中学生だった娘をアルバイトで雇い、所蔵本にコード付けをさせたっけ。
使ったことのない通用口から中に入る。
ファンコイルの送風を利用してリコーダーを吹かせている。
ファンコイルは冷暖房空調設備だが、熱源は外部の冷凍機またはボイラーから冷水ないしは温水を得、自分自身は送風機能しかない。

ここは事務室跡で、何もない。入ったこともない。
この階段を何回上がり降りしたことか。
図書館の書棚はそのまま残っている。
一階の案内図には五線譜に音符が書いてある。
各ファンコイルに配置したリコーダー一本一本の音階だろう。
このタイミングチャートに従って風を吹き出しているようだ。
特に何かのメロディーにはなっておらず、そもそも和音ですらない。
一番下にダ・カーポ(初めに戻る)記号が書いてあるので、永久に循環する。
No.31 飯田町大町 旧スズ交通待合所二階
中谷ミチコ:すくう、すくう、すくう

駐車場の都合で三十番に行く前に三十一番に立ち寄った。
スズ交通は現在、道の駅すずなり近くで営業を続けている。
西寺町で飲んでから帰るとき、ここは便利よかったんだがなぁ。。。
車庫の奥に二階への入り口がある。
木造合掌構造のこの大空間は、いったい何に使ったんだろう。
床は新たにベニヤ板を張って白く塗ってあり、何やらどんぶりみたいなものが並べてある。
真上から見ると、これは手の立体型だ。
どうやって作ったものか、透明アクリルと思われるプラスチックで満たされている。
手の型は凹んでいるはずなのに、上から見ると飛び出しているように見える。
手の型を提供した名士の方々の名簿と配置。
No.30 飯田町今町 旧八木家
金沢美術工芸大学アートプロジェクトチーム「スズプロ」:いのりを漕ぐ 2021

大町のスズ交通から今町の八木さんまでは歩いて二、三分。
珠洲市きっての格式を誇示するため敷居の高い造りだが、土間に砂を敷いて敷居を低く見せ、来場者が入りやすくしている。
ここの受付にもいた、どこにでも現れるペンギンの幼馴染、某オサムちゃん。(右端の人物)
前回の目玉作品、土蔵の壁に描かれた曼荼羅。
先輩の力作を大学の後輩が手の入れようもなさそうだし、前のまんまじゃなかろうか。
今回の目玉、座敷の床いっぱいに彫られた彫刻は、ちょっと見、何がどうなのかわからなかった。
作者と思しき見張り番の女子学生の説明では、盛り上がったところは波、凹んだところは舟のつもりだそうだ。
奥のほうから縁側を見ると、手前に指が見え、なるほど手のひらで舟を作っている。
奈落の底みたいな手のひらのくぼみに座ると、お釈迦様の手のひらから出られなかった斉天大聖・孫悟空の気分を味わえる。
No.32 飯田町一丁目 ラポルトすず
力五三:漂流記

音楽ホール・ラポルトすずのロビー天井から日本列島の模型が南北逆さまにぶら下げられていた。
こうやってみると、珠洲市が日本の中心であることがよくわかる。(^^;)
あれれ?九州がないぞ。
小さなものがたくさんぶら下がっているのは、人の住んでいる島だそうだ。
島の外形線が同じ大きさの四角形の中に納まるように作ってあり、縮尺はでたらめらしい。
能登島が佐渡島と同じ大きさのわけがない。
九州めっけ!
本州の陰に隠れていた。

No.33
 飯田町一丁目 さいはてのキャバレー
浅葉克己:石の卓球台第3号

ラポルトすずのすぐ裏手の海ッぺりにあるさいはてのキャバレー。
受付でスタンプを貰おうとしたら、作品は裏にあり、そっちにハンコもブラ去っていると言われた。
受付は完全制覇を終えた人を認証するところで、内部は特産品や芸術祭関連グッズの販売所だった。
九番が道の駅狼煙にあるように見せかけたのと同じようなもん。
裏まで抜けると三十三番、人研ぎの卓球台が置いてあった。
人研ぎとは業界用語で、正しくは人造石研ぎ出しと言い、左官屋の仕事。
ステンレス流しが普及する前、流し台と言えばたいていコンクリート製の人研ぎ仕上だった。
No.34 上戸町北方(きたがた) 旧珠洲飯田駅
川口龍夫:小さいわすれ物美術館

ここはほんとは上戸町だが、駅名に免じて飯田町のはしくれだとしておこう。
前回と同じなのでスタンプだけにしておくつもりだったが・・・
それでは説明にならないので、やっぱり入ってみた。
切符売り場の中から待合室を見たら、昭和53年10月2日に改訂された、国鉄能登線時代の時刻表を見つけた。
昭和53年10月と言うと、何してたかな。。。

あとで調べてみたら、第一子、娘が生まれたんだった。(^^;)

この階段を上がるとホームで、足の弱いペンギンは下で待っていた。

ホームには四年前から止まったままの貨車が一台停車している。
階段の一番上からちょびっと屋根を覗かせている。
この貨車は動力車がないのもさることながら、前後の線路は撤去されているので、永久に発車できない。
どうやってここまで運んだんだ?
貨車の内部は落書きだらけになっているのは前回と同じ。
ただし、今年の西暦も散見されるので、落書きはリニューアルしたらしい。

17時を回ったので、きょうはこれまで。
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2021.10.17() 雨
あいにくの天気だが、今日はペンギンの野暮用もなく、13時半と早めに出発、まずはすずなりで検温し、リストバンドを貰う。
先週の帰り道、途中でたまたま粟津保育所横を通ったので、逆行して三崎へ向かった。

No.10 三崎町粟津口 旧粟津保育所
カールスチン・ニコライ:Autonomo
天井から円盤がぶら下がっており、右手奥の衝立の陰に隠れたピッチングマシンから黒い硬式テニスボールが飛び出してくる。
壁やら円盤やらにぶつかって跳ねまわるのだが、 作者の意図は全く伝わらず、それがどーした、かな?

たまに足元までボールが転がってくることもあるが、σ(^_^)が見ている限り、記念に、と持ち帰る人はいなかった。
帰り際、振り返るとさっきの会場は左手の遊戯室だ。
鉄骨はうちが建てたような気がする。
Uターンして間もなくだったな。。。
No.11 三崎町小泊 新出製材所
Noto Aemono Project:海をのぞむ製材所

この製材所は営業を続けていて、芸術祭のために休止しているだけなので、当初の予定通り来週、10月24日に展示は終了する。
どうしても今日中に見ておく必要があった。

昔、市内の製材所とは多かれ少なかれ取引があったつもりだが、ここはまったく付き合いがなかった。
タイコに落とした丸太の平らな面を水平になるよう、レベルを合わせて並べている。
作業台のようなものも天板を同じレベルに揃えて並べている。
こうして水平線を見ると、上面と水平線が一致して見える。
ペンギンはずいぶん感心していたが、たとえ10メートル高くても水平であればさえ、やっぱり水平線とは一致して見えるに決まっている。
なぜなら、水平線までの距離(目の高さなら40kmほど)に比べると、1メートルや10メートルの高さは、無視できるからだ。

No.12 三崎町小泊 旧小泊保育所
山本基:記憶への回廊

どこにでも現れる某オサムちゃんが受付をしていたので、No.02に展示してあったテープレコーダの仕様を聞いたら、38cmだそうだ。
忙しそうだったので褒めてやらなかったが、そういや2トラックか4トラックかを聞くのを忘れた。
褒めるのはそれがわかってからにしよう。
床も壁も天井も、青の唐草模様みたいな図柄を書き込んである。
一面の塩でできたさざ波から、塩でできたレンガ壁が突き出している。
先日の震度3強の地震で、よく倒れなかったものだ。
一部崩れているのは地震のせいではなく、意匠。
ベルリンの壁の崩壊シーンが頭に浮かんだ。
あれが人生最大の衝撃だったな。。。
塩でできた波を触っていたらペンギンに怒られた。
No.13 蛸島町 鉢ヶ崎海水浴場
フェルナンド・フェグリノ:私たちの乗り物(アース・スタンピング・マシーン)

駐車場から海水浴場へと降りて行く。
小雨降る晩秋の海水浴場は、いとすさまじ。
お手軽なスタンプ下駄は誰が見てもお手軽で、酷使されたのだろう、ほとんどが壊れていた。
絶対剥がれない接着剤が剥がれたとしてすったもんだした超大作は、鑑賞のみのアンタッチャブル。
動かすと壊れるんだろう。
こっちは使用可能だが、重くて動きゃしない。
どれも期待された性能を発揮できなかったが、手が掛かっていることだけは判る。
No.14 蛸島町 珠洲焼資料館
カン・タムラ:珠洲(16mm) 珠洲(デジタル)

鉢ヶ崎海水浴場のほんの近く、シーサイドホテル横の珠洲焼資料館に行く。
ここは映像が作品だ。

映写機が壊れていて映像が見られないが、機械だけでも見ますか、と受付で念を押され、帰る人もいた。
たぶん個別に入場料を払っている人たちだったんだろう。
σ(^_^)たちは見ても見なくても一括払いパスポートなので、中に入った。

これは・・・映写機には見えんな。。。
向うで娘とペンギンが見ているほうがそれっぽい。
どっちにしたって、こんなもん見たってしょうがない。
No.15 蛸島町 珠洲焼資料館
リュウ・ジャンファ:漂移する風景

珠洲焼資料館周りに展示してあるが、前回見附島に並べたゴミを並べ直したそうだ。
こんなもん、後生大事にして四年間もどこかにしまい込んでいたのか!
No.17 蛸島町 旧島崎家
田中信行:連続する生命

十六番札所が見当たらないので、ひとつ飛ばし。
No.19の孫助の倉庫の裏手にある、誰も住んでいないと思しき民家に入ると、座敷に古民具が並んでいた。
元祖北前船の船主の家だそうだ。
次の間には壁に漆塗りと思しき赤い玉がライトアップされていた。
はて、何が言いたい?
敵は本能寺にあった。
崩れ落ちそうな土蔵の中にあるのがNo.17の作品らしい。
これは! なんか前回もこんな雰囲気の作品を見たぞ。
確か、発泡スチロールで作ったモニュメントに漆を塗った作品だ。
No.19 正院町川尻 孫助の漁具倉庫跡
デイヴィッド・スプリグス:第一波

No.16に続き、No.18も抜けた。
孫助の巻き網を保管していたであろう、巨大な漁網倉庫の小さな通用口に入ると受付がある。
羽衣みたいな薄手のカーテンがぶら下がり、ライトアップされている。
正面から見るとなんだこりゃ、だが・・・
斜めから見ると、一枚ずつ違った模様のカーテンが何枚も重なっていて、立体的に見える。
前回はあんまりパッとしなかったが、今回は感動した。
σ(^_^)的にはグランプリかも。
写真では表現できないので、これは現物を見ないと良さがわからない。
No.18 正院町川尻 旧蛸島駅近く
トビアス・レーベルガー:Something Else is Pssible/何かほかにできる

前回のままだが、再塗装はしたらしい。
鰐崎鏡の柱を錆色に塗ってもらったペンキ屋の話では、前回は塗料だけで百万円掛かったそうだが、果たして今回は?
(手がけたのは市内の別のペンキ屋)
左手奥、赤レンガ色のビルは旧孫助本社、その手前に廃ガソリンスタンド。
色とりどりの作品に透けて見えるのは先ほど行って来た漁網倉庫跡。
No.16 蛸島町 旧高砂湯
青木野枝:mesocyclone/蛸島

お待たせしました十六番。
なんと漁港の一番端、鉢ヶ崎寄りだった。
しかも蛸島の町中は狭い道しかなく、車を止めたところからはずいぶん歩いた。
天井から連結した鉄の輪がぶら下がっている。
泡をイメージしたものだろうか。
それとも赤壁の戦いで有名な、連環の計?
近寄ってみると、鉄板を酸素アセチレン炎でヘタクソに切断している。
初心者がやるとこんなガタガタの切り口になる。
昔の鉄工所ではそこら中に転がっていた。
今じゃ自動プラズマがあるので、真円のドーナツがいくらでも切断できるが、それじゃ面白くもおかしくもない。
洗い場にこけしのようなものが立っているが、よく見ると使いさしの石鹸を積み重ねてある。
たどり着くまでに苦労させられたにしては、なんじゃこれ。
No.20 正院町 旧正院駅
大岩オスカール:植木鉢
元は線路があった場所に大きな植木鉢が置いてある。
おおっと、これは市内某発酵会社が貯めこんでいた、水タンクの残骸じゃないか。
芸術祭の企画で、このタンクを使った、潜水艦に鉄道車輪が付いたような作品の製作依頼をされた。
ンなもん、出来るわけないと断ったいきさつがある。
ここで使い切ったのなら、二度と潜水艦は浮上せず、企画復活の恐れはなさそうだ。

No.22 正院町正院 大工小屋跡
盛圭太:海図

正院が終わって、ここからは野々江町。直(ただ)とも言う。
二十一番が見つからず、たまたま見つけた二十二番で大工小屋跡の壁の落書きを鑑賞。
どのあたりが海図だろうか。

No.23 正院町正院 瓦工場跡
ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:再会

大工小屋のすぐ近く、瓦工場の廃墟へ歩いて行く。
σ(^_^)がUターンした時点で、珠洲の瓦工場は三社しか生き残っておらず、その後十年ぐらいで絶滅した。
この工場はおそらく半世紀以上前に廃業していたであろう

朝からの雨で、おっそろしく足場が悪い。
σ(^_^)たちのあとから金沢ナンバーの車が来たが、助手席から降り立った女性のハイヒールが泥にめり込んで気の毒だった。
歩きが多い芸術祭にハイヒールで来るとは、よっぽど勝負を掛けたお出掛けだったんだろうなぁ。。。
瓦工場の中には人影がなく、打楽器の音だけが聞こえる。
臨場感あふれる音で、スピーカーはJBLでもどうかと思ったが、プログラムされた機械で打楽器を叩く生の音そうだ。
ボランティアで案内してくれる人が説明してくれた。

機械も打楽器も隠されていてまったく見えず、スマホを構えているけど写すものがない。
No.21 正院町本町 旧喫茶アンアン
クレア・ヒーリー&ショーン・コーデイロ:ごめんね素直じゃなくて

まだ喫茶店が現役だった昔、なんの用事だったかこの店には一度来たことがあるのに、なんで見つからなかったんだろう。
ショウちゃんママの実家なので、ペンギンは家に上がったことさえあるそうだ。(^^;)
中に入ると、惑星探査機から送られてきたどっかの惑星の衛星みたいな球体が、ドーンと居座っていた。
球体に触れないよう、後ろに回ると喫茶店のカウンターが現れた。
書棚には営業当時のようにコミックなどが納まっているが、この球体はコミックのページを貼り付けてできている。
娘によると、すべてBLものらしい。(-_-;)
作者は外人さんみたいだけど、日本のコミック、それもBLものの愛好家か? 
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2021.10.10() 快晴
今日もまたペンギンの都合で15時出発。
すずなりへ行って、まずは体温測定済みのリストバンドをゲット。
前回の続きの五番札所へ向かう。
No.46 笹波町 笹波口バス停
アレクサンドル・コンスタンチーノフ:珠洲街道五十三次

前回と変化はないが、通り道にあるので立ち寄り、ハンコを押した。
塗装ぐらいはやり直しただろうと思っていたが、手入れ要らずのステンレス角パイプ製だった。
No.45 高屋町 高屋漁港
金氏徹平:tower(SUZU)

これはサイズからすれば超大作だが、四番と五番の間に位置しながら、笹波口バス停と同じ扱いの番付はいかにもおまけっぽい。
背の高い建造物は製氷施設だが、たぶん稼働していないんだろう。
おまけのおまけで、重油タンクにも絵が書いてあった。
このタンクは現役かな?

シーサイドショッピングセンターへと続く。
No.5 折戸町 木ノ浦ビレッジ
蓮沼昌宏:きのうら、きのうら

ちょっと大掛かりなパラパラ絵本。
動画鑑賞のために1895年ごろに発明された、「キノーラ」と言うれっきとした発明品だそうだ。
全部で10作品ばかりもあったかな。
最初に見たのが文章が書いてあるだけの作品で、速過ぎてほとんど読み取れず、初っ端で興味を失った。
一度回しだすと最後まで見ないと次の人に迷惑が掛かる。
三つほど見てやめた。
ペンギンは全部見たそうだが、中身は聞くだけ野暮。
No.6 折戸町 木ノ浦海域公園
原広司:Identification − 同一視すること

木ノ浦ビレッジ前の急な坂道をなおも下って行くと、海岸に変な赤白のポールが立っている。
これだけ見ると何のことかわからないが・・・

先端の細いアームが指し示す方向、木ノ浦湾の対岸にも同じポールが立っているのだ。

・・・それがどうした?
木ノ浦ビレッジに戻るとその回答がある。
おおっ。模型なら誰が見ても一目瞭然、わかりやすい。

・・・全然わからん。
東大名誉教授の、えらい建築家の作品なので、寸法が入った図面もある。
三次元の模型でわからなきゃ、二次元の図面ではますますわからん。
No.7 折戸町 旧日置小中学校 (現・日置ハウス)
トゥ・ウェイチェン:クジラ伝説遺跡

ここは元、日置小中学校の校舎だったが、現在は宿泊施設になっている。
入口にはσ(^_^)が高専で音楽を習った石本一雄先生の作曲になる校歌の石碑が建っていたのだが、すでに撤去されていた。
ペンギンが入ろうとしているのは元々は通用口と思われる。
左のガラス張りのところが旧登下校玄関。

・・・ここには何もなかった。

モノはグラウンドの一角に掘ったでかい穴の中にあった。
こりゃ後始末が大変だ。

クジラの骨を模したそうだが、後ろ足が付いている。
判別は難しいが、前足もあるのかな?

手足が付いたクジラなら、ゲゲゲの鬼太郎に出て来たことあるな。。。
No.8 折戸町 旧日置公民館
さわひらき:幻想考

ここは前回真っ暗闇の中の作品が多くて、写真が撮れなかった。
今回は心を入れ替えたかな?
やっぱり暗いところの作品ばかりだった。
デジカメでは写真にならなかったが、スマホだと何とか写っている。
目(レンズ)がいいデジカメより、頭がいいスマホのほうが優っているらしい。
No.09 狼煙町 道の駅狼煙・・・はフェイクで、実は漁協近くの船小屋あと
キジマ真紀:狼煙の船小屋

マップに騙され道の駅に一番近いところに車を止めたら、えらい歩かされた。
マップの表示は道の駅に人を呼び込もうとするたくらみだった。

ペンギンが立ち話をしているロン毛のあんちゃんも、延々歩かされて苦笑い。
船小屋の中はいろんなもんがぶら下がっている。
もちろん意味はわからない。
奥から入り口を望むと、やっぱり意味はわからない。
意味がわからないのが芸術なのだ。そうなのだ。それでいいのだ。
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2021.10.08(金) 晴れ
休館日の木曜日、昨日のことだが、柱を錆色に塗装したそうだ。
すでに所掌範囲は終わっていて、当初の約束通り、仕上塗装は別途工事だ。
σ(^_^)の手を離れてはいるが、塗装店を紹介した手前、見に行って来た。

これが作者の視点。
工事関係者は裏を見る。
せっかく錆びないように亜鉛メッキした上、錆止塗装までしたのに、わざわざ錆びたように見せる塗装とは。。。(-_-;)
鉄を扱う者にとって、錆は不倶戴天の敵だから、見たくもない姿だ。
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2021.10.03() 晴れ
芸術祭の正式開催後の最初の日曜日、ペンギンと娘も一緒に一番札所から順に回ることにした。
ただしペンギンの都合で15時近くと、遅い出発だ。
四ヶ所ある検温場で検温し、当日限り有効のリストバンドを貰わないと、室内展示場に入れない。
一番手近な道の駅すずなりへ行って、検温してもらった。
手首にリストバンドを撒くと、入院患者になったような気分だ。
入院体験が多いペンギンは思い出したくもないだろう。
別の日にはまた作り直す必要があるが、使用済みのリストバンドを持って行くと再取得が簡単になるので、次回まで捨てられない。
No.27 野々江町大島田 すずなり
村上慧:移住生活の交易場

すずなりの片隅に保存されている珠洲駅の遺跡にも札所を示す立て札があった。
前回もここには売店みたいなのがあったが、意味はわからなかった。
今回は「移住を生活する」と言うコンセプトで、カタツムリみたいに家をしょって歩く人の持ち物を並べてある。
意味がわからないのは同じ。
これが移動する家。
段ボールよりはちょっとマシな、高級ホームレスと言ったところか。
何が芸術なのか、誰か教えてくれ。
No.01 大谷町 旧清水保育所
塩田千春:時を運ぶ船

気を取り直して一番札所。
ここは前回と同じ展示物で、ハンコだけもらってすぐ帰ろう。
ところが受付でハンコだけもらって作品を見ずに帰るほどの度胸は持ち合わせていない。
いらはいいらはいの声に背中を押されて、結局中に入ることになった。
作品に使われている毛糸が目についた。
前回も展示してあったかな。
No.02 大谷町 旧西部小学校
スズ・シアター・ミュージアム:光の方舟

ここは屋外展示物のみ公開していた仮開催期間中も、唯一入場できた室内展示場。
おかげで展示物の盗難事件も発生した。
お金を掛けた展示場にガラクタが所狭しと並べられている。
右上のテープデッキは某オサムちゃんが、東京に住んでいた若かりし頃にローンで買ったと言うSONYの10吋機。
似たような時期、σ(^_^)は広島で第一産業(のちのデオデオ)からTEACの10吋 2Track 38cm/分 通称ツートラ・サンパチを買った。
このSONY機の仕様は不明だが、ツートラ・サンパチなら褒めて取らす。

左下のチャンネルをガチャガチャ回すテレビは骨とう品扱いだが、何を隠そう、うちではつい二年前まで現役だった。
これはただの真空管式ラジオではない。
アマチュア無線が昔使っていた、高周波一段・中間周波二段増幅、略して高一中二の通信型受信機の残骸だ。
σ(^_^)の事務机の上に乗っている軍用無線機の受信部はだいたいこれと同じ。
展示場のガラクタより、一歩裏口に出ると一望できる、この外浦風景のほうがよかないか。
No.03 馬緤町鰐崎 鰐崎海岸
キム・スージャ:息づかいー旗

正式には何やらわけわからん名前が付いているが、通称鰐崎鏡。
工事関係者として何度も来ているのでハンコだけ押すつもりだったが、異常がないか気になるので、やっぱり入ることになった。
秋の落日は速い。
早く回らないと日が暮れるぞ。
No.04 笹波町
スボード・グプタ:私のこと考えて

ステンレスのコップから大量のゴミが流れ出しているオブジェ。
鰐崎鏡は突貫工事だったが、この物件はいざ発注となった時、事前に見積もりを取った鉄工所が廃業していたくらい時間を掛けている。
代わりに作ってくれる鉄工所を探すのが大変だったと某鋼材問屋が話していた。
ステンレスで作ってあるように見えるが、代わりの鉄工所では作れず、鉄板で作ってステンレス箔を貼りつけてあるそうだ。
夕陽を写し込もうとすると、なんのこっちゃわからんな。
見ようによってはゴジラがごみ籠を被ってオロオロしているように見えないこともない。
日の入り迄もうちょいあるが、ペンギンが疲れたので今日は撤収。
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2021.10.01(金) 曇り

奥能登国際芸術祭2020+開幕(正式版)

本日からすべての都道府県の緊急事態宣言とまん防措置適用が解除され、芸術祭が全面的に開幕する運びとなった。
閉幕10月24日のところ、11月5日まで延長している。

左は公式ガイドブックの表紙で、前回同様無断使用なので大きくなりません。(^^;)
以後の記事に現れる札所の番号は、左のマップを参照してください。
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2021.09.04(土) 曇り一時雨

奥能登国際芸術祭2020+開幕(お試し版)

今朝の北國新聞見開き一頁を全部使い、奥能登国際芸術祭開幕を派手にぶち上げているけど、いいのかなぁ。。。
ちょっと気恥ずかしいが、石川県民しか見ない超ローカル新聞だから、許されるか。

看板に偽りがあって、まん防措置が石川県に適用されている間は屋外展示だけの、いわば先行お試し版で、料金は取らない。
新コロナのため一年延期になったが、東京オリンピックのように2020をごり押しせず、2020+とインクリメントを示唆している。
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